KABEGAMIYA HONPO × Yarn produced by Fukahori Riusuke
吹く風の中を魚飛ぶ御祓かな
ふくかぜのなかをうおとぶみそぎかな
白くまぶしい空をあおぐ
沙羅の樹からこぼれる太陽の陰
いつも通る駅への道は、
うち水の匂いと風鈴の音が漂う
変わらない日本の夏を
風にのせて届けます
「梅雨も明けて
暑さも本格的になってまいりました。
お体を大切になさって
健やかな日々となりますよう
心からお祈り申し上げます。」
lineup.
『金風丸』には緋子(ひこ) / ぷり郎(ぷりろう)/ 出目紺(でめこん)の3種類があります。
日本人には馴染み深い、金魚すくいの持ち帰り袋をパッケージに採用しました。
誰もが手にし心を踊らせたことがある、夏の香りが詰まったこの袋。 このまま贈り物にしても喜ばれることでしょう。
夜中にね、薄暗い部屋でタオルを頭に被って、左と右を合わせ鏡にした三面鏡の前にしばらくいると、 3年後の交際相手が浮かび上がってくるらしいよ。 昼にクラスの女子が話していたその内容を、そこではバカにしたけれど、 いまぷり郎は白いタオルを頭に被り、母の三面鏡の前にいる。夏とは、思春期とはそういうものだ。
言われたとおり合わせ鏡をつくり、自分が移りこむように顔を近付けると視界が自分の顔だらけになった。何も起きないな、闇に目が慣れてきたぷり郎が左の鏡に映る自分の後頭部に目をやると、10円ハゲを見付けた。
夜にね、キャンプファイヤーをするの。 その時にろうそくが要るんだって。 緋子がそんな嘘をついたのは、それが消灯後の肝試しで使われるからだった。各自、そのろうそくの灯りを頼りに神社の境内を一周する。本当のことを言ったら怒られるに決まってる。
修学旅行の夜。部屋を抜け出して集まった神社の鳥居前。丑三つ時の不気味な空気の中、 ハイこれキャンプファイヤーの、そう言って出発前に母が持たせてくれた袋からは、ステキな香りのアロマキャンドルが出てきた。
出目紺は夜明け前に帰宅した。頭がガンガンする。 ああ今日は飲み過ぎた、柔道部の同窓会なんて15年ぶりだもんな。 家族を起こさないように静かに玄関を上がると、居間の奥のほうから人の気配がした。 薄明かりの中に目を凝らしてみると、白髪の老人をおぼしき人物が三面鏡の前に座っている。
ああ幽霊を見たのは初めてだ。そういえば幽霊に柔道って効くのかな。 酔っぱらいの出目紺が、白髪に見えたのが頭に載せたタオルだと気付いたのは、 ぷり郎を背負い投げした後だった。
how to use.
『金風丸』はうちわとして使えるグリーティングカードです。120円切手を貼り住所を書くことで「定形外郵便物」としてポスト投函することができます。
うちわとして使用する際は、型抜き処理がされた◯の部分を抜いてご使用ください。
ちなみにこの◯の中に描かれた金魚の名前は「小赤(こあけ)」。捨てられる運命かもしれませんが、願わくばなにかに使っていただければ嬉しいです。
郵便物として送った場合、送り先に届くまでに◯が抜け、小赤がはぐれてしまうかもしれません。
はぐれた小赤が、一匹の金魚が深堀氏を「金魚救い」したように、誰かの物語に泳ぎ入り、
金魚救いしていることを夢見ます。
designer.
風鈴が、実体のない風に音を付けることができるように、
現を泳ぐ実体のない金魚に色を差すことができる作家。
深堀隆介(ふかほり りゅうすけ)氏。
左:『金魚酒』
桶に樹脂を流し込み、直接そこへアクリル絵具で金魚の絵を描いていく。羽田空港ディスカバリーミュージアムでも取り扱われている、高い人気を誇る深堀隆介氏の代表作。
2012年1月、ICN galleryにてその製作過程が紹介され、大きな話題となりました。その時の動画がこちら↓
(下記動画はICNより許可を得て転載させていただいております。無断転載はおやめください)
ICN Gallery 個展時放映映像 観れない方はvimeoページから
『僕は、金魚という存在に表現すべき全てを見た男で、いわば金魚に秘められた「言語」を聞いて言葉を発するように表現しているだけです。』
作家公式ブログ 「金色の鮒」2012/01/10より
氏の中で美しいと思う金魚が生まれ、それを様々な表現で世に放つ金魚洋画場の主(あるじ)、 深堀隆介氏。
右:『韓雪(からゆき)』
水の中で大きく翻り、腹部を顕にした彼女の瞳には、恍惚としたものが宿っているように見える。 身近付いてみると、なぜか抱きしめたくなる衝動に駆られた。
その作品は樹脂、立体、平面、パフォーマンスなど多岐にわたる。
深堀氏のファンの方もはじめて知った方も、このプロダクト「金ぴと」で、深堀氏の金魚世界をぐんっと間近で体感し、水槽化した楽しい空間に身をゆだねたら、最高に元気な夏を迎えることができるのではと、思いつつ。
左:『天樫ノ緋魚(あまかしのひのな)』
別名「落葉金魚(らくようきんぎょ)」。 血肉を脱ぎ捨てた4mの金魚は、住処からも重力からも解き放たれ、自由を謳歌しているように見える。
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ある日の制作風景。涼やかな樹脂作品には国内外で熱烈なファン多数。一作品ごとに生が込められ、お客様のもとへ泳いでいく。
氏のアトリエ。倉庫をご自身で改造されている途中(2007年完成)。作品が生まれる場所から手がける。そのモノヅクリの姿勢は随所に顕れ年々深みを増す。
2010年のキャンドルナイトでのライブペイント。この日、作品「大緋」が観衆の見守るなか、生まれでた。
当日のボディペイントの様子はコチラ。
このPOSTCARDは「webshop野庵」の提供です。ライブペイント等、多岐にわたる野庵と深堀氏の創作活動を、これからも応援していただければ幸いです。写真は日暮里本行寺「夏の陰陽」の1シーン。
パッケージ内容
・同デザインうちわ 3枚
・使い方カード 1枚
※3枚違う柄がセットになったタイプは販売しておりません
分類 |
緋子(ひこ) / ぷり郎(ぷりろう)/ 出目紺(でめこん) |
使い方 |
120円切手を貼り住所を書くことで「定形外郵便物」としてポスト投函することができます。 |
うちわのサイズ |
直径 21cm(このままポストに投函できるサイズです) |
配送について |
当店からお客様宅まではメール便にて配送させていただきます。 |
返品・交換について |
お客様都合によるキャンセル、返品、交換は一切出来ません。あらかじめご了承ください。 不良品につきましては、お届け日を含め7日以内に当店へご連絡ください。交換となりますので、不良品は捨てずに保管してください。当店にて不良個所を確認させていただいた後、良品と取り換えさせていただきます。 |
>>> 同じ金魚たちがご自宅の壁を泳ぎます。深堀隆介監修 金魚壁紙(シールタイプ)はこちら
深堀隆介 ラインアップ
手拭い 火流る (-深堀隆介-)
ジャンル:手拭い
灼々と燃える大気、澄んだ空に注ぎ降る星々と静かにひろがり明けゆく闇宵。深堀隆介氏の壮大な世界観が手ぬぐいになり大空を泳ぎます。
ポストカードセット(-深堀隆介-)
ジャンル:ポストカード
「涼風献上」文章は短かくても、ぬくもりは格別。懐かしい字は記憶を呼び起こすタイムマシーン。
梨園染め手拭 金魚のうた(-深堀隆介-)
ジャンル:手ぬぐい
見るものをはっと惹きつける雅で華やかな深堀隆介氏の金魚。その世界観を老舗の染屋さんが全力で手拭に映しました。
京団扇 緋壺(-深堀隆介-)
ジャンル:団扇
扇ぎおくられるやわらかな風はこの夏の宝物。嬉しい夏を過ごす特別なおしたくとなりましたら幸いです。
クリアファイル/ 夏(-深堀隆介-)
ジャンル:文具
夏空の青にとけこむ深堀隆介氏が描く金魚。もうもうと立ちのぼる暑気、夜空を覆う銀河にその姿を重ねてみました。
春のクリアファイル (-深堀隆介-)
ジャンル:文具
霞立つ春の空をあおぐと、次の季節の雲が流れた。あの桜の記憶と一緒に次の季節へ向かう。
ウォールステッカー「金ぴと」(- 深堀隆介 -)
ジャンル:紙作品
春の匂いとともに深堀金魚がお客様のお部屋を泳ぎます。山野を越えてどこまでも!
雪のクリアファイル (-深堀隆介-)
ジャンル:文具
花なき里に花を咲かせるように、水なき処に金魚を魅せる深堀隆介氏の宇宙をお届け致します。
夏のクリアファイル (-深堀隆介-)
ジャンル:文具
こぼれがちな夏の記憶を拾い集めるような、ひと夏のキラキラと切なさを挟むクリアファイルができました。
クリアファイル 紅葉錦 (-深堀隆介-)
ジャンル:文具霜葉は二月の花よりも紅(くれない)なり。秋色深まりゆく諧調のクリアファイルをお届け致します。
団扇型POSTCARD「金風丸」 (-深堀隆介-)
ジャンル:紙作品夏宵の風にお祭りの気配。浴衣が嬉しくて下駄が痛くて熱かった1日。記憶の中の夏を湛えたポストカードを贈りませんか。
手拭甚平 (-深堀隆介-)
ジャンル:手拭・お誂え
太陽と草の風衣を作る夏。とっておきの夏のおしたくを始めてみませんか。「手拭で作る甚平」説明書も配布中!
贈り箱雪守 (-深堀隆介-)
ジャンル:手拭い
見るものをはっと惹きつける雅で華やかな深堀氏の雪中金魚。桐のお箱で丁寧に包んでおりますので贈り物にオススメです。
団扇 夢紗(-深堀隆介-)
ジャンル:団扇
薫風は南より来たる。あおぐ手作りの風はこの夏の音と匂い。やわらかな記憶と涼を運ぶ団扇をお届けします。
流れ火・ポストカード (-深堀隆介-)
ジャンル:ポストカード
「天上に火,流(くだ)る」、それは遥かな夜空を背景にひときわ燃えさかる赤い星。
ゆるやかな季節の移ろいと静謐な炎を楮(こうぞ)の紙に焼きつけました。
扇子 (-深堀隆介-)
ジャンル: 扇子
この夏、扇面の向こうの日本に逢いにいく
掲載日:2012年7月19日 (木)
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コメント
邦隆父に金魚すくいを鹿児島市の六月堂のたびにつれていってもらって、大きく育った金魚が蛇口の中に挟まって死んでしまってかわいそうにと心が切なくなったことをおもいだしました。
投稿: 平原由佳 | 2013/01/20 15:27:33