営業をしない ㈱能作 のものづくり (@高岡 鋳物)
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以前からとても気になっていた片口があった。
銀ほど硬くない質感、シンプルな緊張感のある美しいフォルム。
錫(すず)製のそれは富山県高岡で造られていた。
錫は熱伝導率が高くて急冷し、殺菌効果もある素晴らしい金属。
そして人肌に曲がる特異な質感をもった素晴らしい素材。
高岡は400年以上も昔からの鋳物の町。
そのなかで大正創業の 株式会社能作 はひと際元気な会社だと思う。
「これ、かっこいいでしょう。」 が口ぐせ (笑 の社長 能作克治氏。
自社製品をトップが愛しく誇らしげに語れるのは絶対良い会社。
そして絶対、良いモノづくりをしている証。
一つ一つ丁寧に製作の裏話を含め、お話くださいました。
鋳物ってわかりますか?
すごく簡単にいうと
「融点で溶かした金属を、型の中に注ぎ込んで、
冷やして固めて仕上げ、必要な形にした」 もの
例えば最初の片口の型はこれ↓
これが「鋳造」の現場。
1200度を超えるバケツの中の金属を型に流し込む。
現場には次世代の担い手となる若手がいた。
後継者難の工房が多いなか、それがとても嬉しい。
ここには 次の未来 がしっかりある。
灰桜色の鋳造現場 煮立つ炎を操る職人。
職人の背中がとても好きです。
そして、ものが生まれる瞬間の、緊張を伴う空気感がとんでもなく好き。
「うちは定年はあってないですよ。働けるまでその時の給与でいてもらう。
それが職人に対する恩返しだと思ってる。」
ベテランの職人を、ひいてはモノ造りをする人を大切にする会社。
良いモノが出来ない訳がないと思った。
池坊流でお正月に使う「御玄猪(おげんちょ)」。 (なぜ、キミがここに?!)
毬詠、華道は池坊流なのでお馴染みの花器でした。
仏具から花器(「そろり」もここ!)、こんなものまで!と思う馴染みの製品が
ここで生み出され、日本全国を巡る。
「休みは年に1回、正月だけ。」
まっとうなモノ造りに本気で挑む社長の眼は厳しくて優しい。
日比谷にOPENしたペニンシュラホテルのバーにあるアルミ製のオブジェ。
目黒通りにあるホテル「クラスカ」のロビーや六本木ヒルズ内のとあるショップの照明。
今年、全国を駆け巡ったNOUSAKUの風鈴の澄んだ音。
丁寧な造りの能作の製品を東京で見かけるとなんだか嬉しくなる。
お酒が大好きな社長。 冒頭の片口の説明のときに
「赤ワインを入れるととてもきれいなんだ」と嬉しそうに語られました。
確かに!! ワイン好きのお友達へさしあげたら上々機嫌。
ワインが苦手な毬詠はとりあえず食用菊を浮かべて、日本酒を楽しもかなっ♪
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