2007年9月 7日 (金)

営業をしない ㈱能作 のものづくり (@高岡 鋳物)



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以前からとても気になっていた片口があった。
銀ほど硬くない質感、シンプルな緊張感のある美しいフォルム。
錫(すず)製のそれは富山県高岡で造られていた。

● 能作 NOUSAKU

  錫は熱伝導率が高くて急冷し、殺菌効果もある素晴らしい金属。
  そして人肌に曲がる特異な質感をもった素晴らしい素材。


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高岡は400年以上も昔からの鋳物の町。
そのなかで大正創業の 株式会社能作 はひと際元気な会社だと思う。

「これ、かっこいいでしょう。」 が口ぐせ (笑 の社長 能作克治氏。

自社製品をトップが愛しく誇らしげに語れるのは絶対良い会社。
そして絶対、良いモノづくりをしている証。
一つ一つ丁寧に製作の裏話を含め、お話くださいました。


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鋳物ってわかりますか?
すごく簡単にいうと

  「融点で溶かした金属を、型の中に注ぎ込んで、 
   冷やして固めて仕上げ、必要な形にした」 もの

例えば最初の片口の型はこれ↓


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これが「鋳造」の現場。 
1200度を超えるバケツの中の金属を型に流し込む。


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現場には次世代の担い手となる若手がいた。
後継者難の工房が多いなか、それがとても嬉しい。
ここには 次の未来 がしっかりある。


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灰桜色の鋳造現場 煮立つ炎を操る職人。

職人の背中がとても好きです。
そして、ものが生まれる瞬間の、緊張を伴う空気感がとんでもなく好き。


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「うちは定年はあってないですよ。働けるまでその時の給与でいてもらう。
それが職人に対する恩返しだと思ってる。」

ベテランの職人を、ひいてはモノ造りをする人を大切にする会社。
良いモノが出来ない訳がないと思った。


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池坊流でお正月に使う「御玄猪(おげんちょ)」。 (なぜ、キミがここに?!)
毬詠、華道は池坊流なのでお馴染みの花器でした。
仏具から花器(「そろり」もここ!)、こんなものまで!と思う馴染みの製品が
ここで生み出され、日本全国を巡る。


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「休みは年に1回、正月だけ。」 
まっとうなモノ造りに本気で挑む社長の眼は厳しくて優しい。

日比谷にOPENしたペニンシュラホテルのバーにあるアルミ製のオブジェ。
目黒通りにあるホテル「クラスカ」のロビーや六本木ヒルズ内のとあるショップの照明。
今年、全国を駆け巡ったNOUSAKUの風鈴の澄んだ音。

丁寧な造りの能作の製品を東京で見かけるとなんだか嬉しくなる。

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お酒が大好きな社長。 冒頭の片口の説明のときに

「赤ワインを入れるととてもきれいなんだ」と嬉しそうに語られました。

 確かに!! ワイン好きのお友達へさしあげたら上々機嫌。
 ワインが苦手な毬詠はとりあえず食用菊を浮かべて、日本酒を楽しもかなっ♪




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2007年9月 6日 (木)

世界文化遺産 五箇山 (今を生きる人々) 



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お友達の同級生がここのお家でね、お邪魔させていただいたん。
築180年の合掌造り。

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中はとても広くてね、普通に囲炉裏が使われているお家。
飾りじゃないその日常の有様がとても嬉しい。


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高い吹き抜け、時代とともに燻された黒褐色の風合い。
雪の重みで曲がった天然木を使った太い屋根柱。


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大きな引き戸の黒光る艶が美しくて。
障子の白さと吹き抜ける山あいの風、その場の醸すやさしい空気が
時代の重さを中和する。 ドキドキがとまらなくなった。


<br />
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厳しい自然のなか、ここで豊かに暮らす人々が今もいる。
衝撃でした。


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畑では色んなお野菜が作られていて。デカかぼちゃ、お土産にひとつ購入。
重いっ。 世界遺産 五箇山産だよ(笑  
持って帰るから美味しく皆でいただこぉ~♪ 


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どこかで見た五箇山の冬景色。 
白銀の世界に各家の合掌造りの天窓の灯りだけが見え、
しんしんと降る雪がすべての音を吸収し覆い尽くすとか。


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合掌造りは冬のための備えのカタチ。
この景色 直接見て感じたい。


              ○●


        ということで2月に行くよー。          >愉快な仲間たち
        雪山運転に慣れてる人巻き込んで、皆で向かうけろっ!




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世界文化遺産 五箇山 (日本の原風景) 



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世界文化遺産に指定されている村、五箇山へ行きました。
ブルーノ・タウトが、彼の著書「日本美の再発見」によって
「合理的で美しい」と絶賛した合掌造りの山郷。


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谷あいの秘境の村。
かつて富山県と石川県の県境、倶利伽羅峠で、源平が戦い、
平家の残党がここまで落人として逃げ隠れてきたとか。


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茅葺きの合掌造の家屋は叉首(さすぐみ)構造の切妻屋根。
雪が滑り落ちやすいよう傾斜勾配になっているのが特徴(その角度60度!)。


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なんだか昔、子供のころ感じたおばあちゃんちの匂いがした。
(今はもうなくなっちったよ…)


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そんなことを考えながらお散歩してると、普通に流れる外の水で昔ながらの
洗濯をしているお婆ちゃんと目が合う。

そう、ここはテーマパークや整備された追憶の観光スポットじゃない。
今、ここで生活し生きる人々がいる場所。

富山弁って、奥深いん 。。;

ばあちゃん 「どこから来たが?」
毬詠 「とうきょうですっ!」

   しばらく雑談

毬詠 「お写真撮って良いですか?」
ばあちゃん 「つかえんちゃ。」
毬詠 「・・・(う、やっぱあかんか。)」
ばあちゃん 「はよ、撮らんけ」
毬詠 「うみょみょ?!」

そしてパシャパシャ。
少女のように微笑んだばあちゃんが、とても愛らしかった。
(写真、送りますからねー。また、元気に遊びに行きます!!)


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今年初のコスモス。去年見たオレンジのコスモスよりすこし優しい色。
もう秋だ。


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次は ここで暮らす人々 のこと→




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2007年9月 4日 (火)

おわら 風の盆 (@越中八尾) 番外編



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「風の盆」は行きたいけど行きたくないなぁ っていうお祭りでした。
だって、通常5000人の小さな町に1日12万の観光客が押し寄せるんやも。

富山ー八尾間は人、人、人、、電車に乗るのも整理券が必要。


Out


どんな小さな露地も、観光客だらけ( ´△`) そして私も観光客(; ´△`)

編み笠で顔も見せない奥ゆかしさとか静かな音色から
本来は、地元民のためのささやかなお祭りやったと思うん。
1年の芸事をお披露目して、五穀豊穣を祈る厳かな場。


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案内をしてくれたお友達がね、
「昔の風情は、一般の観光客の帰った深夜の流し」 と教えてくれたの。
それこそ朝方までお宿で呑みつつ、うつら寝て、4時ごろ外にでた。
道の両側は野宿(?)の人、人、人、、(:D)┼─┤
(もう、笑うしかない感じ…)

とにかく人がいない場所を探して歩いた。
ていうか、道に迷って帰れんくなってた・・・


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お祭りのコースから外れると、昔ながらの坂と家々。
町中をわたる水路の音が気持ちよくて。

そんな朝もやのなか、舞い終えた踊り手たちに遭遇。
編み笠をとって手をつなぎ、家へと帰る。

観光化された場より、舞台裏でもこういう光景が好き。


Life


彼らの後を追って、無事お宿へ戻れまひた。
(町で浴衣が決まっているので方向の予想がついたっ。)

          
                       ●○
  
「大人」に焦点が集まりがちな「風の盆」。
やっぱり舞台裏ではチビッコたちが大騒ぎしてました(笑


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「まぁま・・・」 お母さんとはぐれた女の子 
 (その後、ちゃんと見つかりましたよ☆)


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いつか彼女たちも顔を隠し、何かを秘めたように踊る日がくる


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風情ある影を心象に残す、そんなお祭りでした。


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今回、9名で民泊したん。
雑魚寝したみなさま、とても楽しかったです~♪




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金屋町 築100年を経た重み



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約400年前、加賀藩藩主 前田利長が
詩経 「鳳凰鳴けり彼の高き岡に」 にちなみ
高岡と名づけた町。 富山県高岡は鋳物の産地で有名な場所。

古くからものづくりに取り組む土地は町人が活躍する。
高岡でも町衆文化が色濃く残るといわれる地域に向かいます。

金屋町

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るんたったお散歩してたら素敵な古民家が。
覗くとギャラリーになっていたのでお邪魔しました。
そこは創業慶応三年の ● 大寺幸八郎商店


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品のいい奥様とお話しがはずみ、お庭の茶室へお招きを受ける。
渡り廊下の昔ガラスが良い感じで。

細微にこだわった建築から、当時の豪商ぶりがわかる。


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茶室から庭を臨む。
お座敷や茶室から臨む銘木、石灯籠はそれは見事で。
この奥深さは外の往来からはわからない。

このゆかしさ いとをかし。


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ここ路地がとてもすてきなんー
なんて ふぉとじぇにっく (* ̄∇ ̄*)

あてどもないお散歩 だいすき~。


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ステキな休憩をした後、金屋町の資料館を覗いた。


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お道具がたくさん
へっぽこですがお茶をかじっている者としては興味深いものばかり。


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偶然茶の湯釜を作る作家とお会いした。
見たこともない釜がたくさん!

丁寧にご説明してくれました。 知識不足でいゃはゃ、、 
毬詠、まだまだ色んな引き出しが足りません。
 精進しますわっ (--。)


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日本の模様って 余白 が粋で、シンプルモダンで
すばらしいと思いませんか。


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千本格子の家並みと銅片の敷き込まれた石畳。
富山へ行かれましたら立ち寄ってみてくだされ。


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おわら 風の盆 (@越中八尾)



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毎年9月1日から3日にかけて行われる 「おわら 風の盆」。
風を治め 、五穀豊穣を祈るお祭り。

この日,坂の町八尾(やつお)に数万の灯がともった。


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この3日、編み笠を目深にかぶって、町々の揃いの浴衣で静かに流し踊る。


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男衆は黒法被、黒股引 
きりっと艶やかで、これ以上にない粋な風情


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三味線,胡弓,太鼓の哀調とともに優雅に舞う早乙女

一番の見所は町流し いつ見れるか、予告はない
地方(じかた)衆が、ふと建物から出てきて、奏でだすこと数十分
踊り手が静かに参加し、八尾の町中を踊りながら流す。

11の町のあちこちで、朝方まで流し続けるとか。


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毬詠が民泊(一般の民家がこの3日間だけお宿になる)したお家は「上新町」
窓の外では観光客も参加できる「大輪踊り」がはじまっていた。
真夜中過ぎ、踊りの輪はどんどん広がり続ける。


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朝4:30、「エンナカ (道横に雪解け溝の水路があり,川水が音をたてて流れる。)の水音
白んでくる朝もやのなか、胡弓と三味線の音とともに男衆、女衆がすっと現れ
静かに目の前を流れ過ぎていった

写真を撮ることも忘れた霞のような時間


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守りぬく力あって、受け継がれる伝統。
人口5000人ほどの小さなこの町の子らは、豊かな芸事に育まれる。
それはこの現代で、どれだけの周囲の努力のなかで保たれているか。
タクシーの運転手さんがね、
「この町では踊れんと生きていけんがいね」って。

その雅な舞の一手一手に、町民の受け継がれた誇りが
感じられ、そのいきとどいた文化レベルの高さに驚く。

素晴らしい 「日本の音」 でした。

と、きれいにまとめておいて番外編へ続く→




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2007年9月 3日 (月)

富山でのこと index

富山行ってきました~。
刻々と過ぎる時ごとに忘れられない出逢いがあり、
圧倒的な風景と受け継がれる伝統のなかで、小さな小さな自分を感じ。

世界文化遺産に選ばれた秘境の村 「五箇山」 や、
日本の音100選の1つ 「おわら 風の盆」 に触れました。
人の絆の強さとあたたかさの恩恵を受けた週末。
これまたゆっくり、UPしていきたいと思いまふ。


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● 2007 9月

 @高岡    世界に響く和モダンな鋳物 ㈱能作 
 @高岡    金屋町は千本格子の町 築100年を経た重み
 
 @越中八尾 おわら 風の盆
 @越中八尾 おわら 風の盆 番外編

 @五箇山  世界文化遺産の村 美しい日本の原風景
 @五箇山  ここで生活する人々

大矢君、洋乃さん、株式会社能作のみなさま
そしてよしこちゃん&あさみちゃん 本当ありがとですー。

取り急ぎ

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