2014年1月16日 (木)

地元女性の底力*築200年熊谷家住宅@石見銀山

冬至の日のイベントご報告は動画と一緒に ^^; オソクテゴメンナサイ

まずはこの年始め
世界遺産に登録された石見銀山遺跡へ
行ってきた日のことを忘れないうちに

大森の趣き深い町並みは
お散歩カメラにオススメですょ

(写真はクリックすると大きくなります)


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家の戸には正月のおしたく飾り

青竹の花入れに餅花や千両

飾り方が統一されていたので
町内で配慮されたのかな

古い町並みをぐっと引き立たせる
すてきな室礼です


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雪が散らつく日

風情ある佇まいに橙と千両の赤の実が
とても印象的でした


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この日のお目当ては熊谷家(くまがいけ)

ここは銀山とともに栄えた
江戸時代からの豪商の家

大きく染め抜かれた三つ松紋の藍染暖簾は
新春の凍てつく冬空をさらに清しく
際立たせていました

(この暖簾はここでかつては布団として
 使われていたとか!)


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まず通していただいた来客用の奥の間

ここは大名家の役人の接待など
とりわけ大切な来賓の間だったとか

現在でもここは大田市の迎賓館として
ユネスコの賓客を迎えて市長主催の夕食会等
行っているそう


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臨んだ庭の蔵は鼠漆喰仕上げ

当時、女人禁制の蔵からは
祭具や神事に使う道具が
仕舞われていたそうです


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襖には見事な雲立涌文様

これは復元ではなく当時のものだとか 

むっはぁ  うっとり

「その座椅子はここの布で
 私たちが作ったの。」

説明をしてくださる方に好奇心から
たくさんの質問をしたときに
お役所仕事ではないリアル感ある返答を
いただきました

実際、調査の現場にいないと
出てこない言葉

この古民家の復元と再興に尽力された
方々のお一人でした


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ここは素人の地元の女性が
小泉和子氏(昭和の暮らし博物館館長)の指導のもと
荷の整理、清掃から調査、復元し現在の形にまで
持ってこられた場所でした

 家財運びだしから展示品ができるまで


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毬 
「家財調査から展示まで全部、
 やられたんですか?」

「そう。地元の女が集まってね ^^
 3年かかっちゃいました。」

にこやかにおっしゃられたけれど
古民家のお掃除をすこしは知っていたので
その作業量は想像を超える大変さ、、

蔵にはかつて酒造業をやっていた展示

これも専門的知識をひとつひとつ
学び調べパネルにしていったとか


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小さなコーナーひとつとっても
当時の日常の息遣いが感じられ
細やかでとても見ごたえがある展示でした

お酒ってこうやって包まれていたんだねぇ

昔パッケージマニアとしては
たまらないっ


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大事に飾られた古民具


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蔵から出てきた揃えの茶椀たち


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見事に布で手造りされたフードサンプル

【お花見弁当】

箱寿司、煮染め、卵焼き、簀(す)巻きカマボコ、焼き鮭
鶏炒り煮、天ぷら、飾り切みかん

どのように使われたかも含めて
大森地域の行事食を聞き取り
郷土料理の復元につとめたとか


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祭礼・法事の日のご飯も展示されているので
すごく興味深かったです


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芯は発泡スチロールのお饅頭

器は料理が入ってこそ!

女性ならではのこだわりを感じ入りました


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圧巻は太い梁のお台所

ここも現役で使われているとか!


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小学生の食育の場として
薪割り、料理の下ごしらえ、竈でのご飯作り
後始末まで行っているそうです

大人も5名以上で体験学習できるって☆
やりたいですー


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熊谷家で使われていた道具を使って
かつて、人の手で行われていた
すべての家事を

ある意味とてつもなく贅沢です


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井戸も現役!


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水まわりの使い勝手を考えられた
シンプルな美しさ

ショールームのような
お飾りでないリアルな場


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「魚箱」

リアル過ぎるお魚も発泡スチロールと
みかんネットからの手造りでした


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ワラでできた蓑(みの)や笠

これあったかいのかな?
でも防水、ムリだよね?!

雪がすぐに払い落とせるらしい!


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新聞紙の中には茶葉が干されていて


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別間でゆっくりいただきました◎

土地独自の風味のあるあったかいお茶
あたたかなコタツ

張り替えられた障子、小さな盆栽
コタツの座布団まできっと手作り

広くて大きな豪商の古民家で
おばあちゃんちに来たような
ゆったりした空気が流れているのは
お母さんたちの沢山の心遣いがあるから

素晴らしい古民家再生の活用を
魅せていただきました


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重要文化財 熊谷住宅

守る女性は 『家の女たち』 という名称で
今も熊谷家の来館者への説明から
建物の維持管理まで活躍されています

熊谷住宅 

● 公式HP http://kumagai.city.ohda.lg.jp/

● Facebook https://www.facebook.com/kumagaike.ienoonnatachi


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オマケ

女中部屋に貼られた写真

誰かまったくわからないw


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「断捨離」という言葉が流行っているようですが
捨てられないものはやっぱりあって

物がない時代、大切に使われた道具

その精神まで包み込むように
大事に大事に復元された熊谷家

年のはじめ、2014年念頭に置くべきことを
教わった気がしました◎


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