京友禅の工房見学へ行った日のこと(with 神田サオリさん)
昔から着物の柄や絵が大好きです
それはお袖を通さなくても絵本と同じくらい
小さな私をドキドキさせ、たくさんの色や
不思議なお話の世界に連れて行ってくれるものでした
絵は 手描き友禅染め という技法らしいゾ
それぐらいの浅い知識、、
google センセー!
「友禅」と一口に言っても、沢山の製品と説明が
出ていて ?? は増えるばかり
仕事柄、色んなお着物をお預かりし
相談をうけることも多くなり、もっともっと知りたい!
そう思っていた矢先
神田サオリさんから
「京友禅の工房へ見学にまいります!」
と元気なお便りが
「是非ご一緒させてください!」 と、
便乗させていただきました ^^b
神田サオリさんと京都の着物メーカーさんとで
実は今、すてきなプロジェクトが進行中です。
きちんと技法を知ることでサオリさんの世界は
ぐんぐん膨らんでいく。
なにが出来て、なにが難しいのか。
職人の技術。 機械の技術。
ひとつひとつ具体的に確認作業をしていきました。
古典柄
金箔 銀箔 箔だけでも数十種類あること。
金駒刺繍 相良刺繍 地引縫い 割り縫い
今はだいたいの手刺繍がベトナムで
縫われているということ。
織りとのコンビネーションで醸せる世界観。
「手描き友禅」の大きな特徴のひとつは
柄の輪郭線があることです。
これを「糸目(いとめ)」と呼びます。
「糸目糊(いとめのり)」を白生地に細い線として
しごき出しながら絵柄を描きます。
刺繍の白 緞子の白 染めの白、
正絹(シルク)に広がる白の諧調はとても美しい。
より具体的に作業している現場に
お邪魔致しました。
ここは手描彩色作家の村田秀豊氏の工房。
驚いたことに神田サオリさんの絵を
反物に友禅で表現してくださっていました!
染料についてのたくさんの質問
どこで手に入るか
扱い方
筆・刷毛の選び方
量 基本的な塗り方
ひとつひとつとても丁寧にご回答いただきました。
【 下書 】
手描き友禅はまず青花(アオバナ・露草を絞った汁)で
下絵の模様を線描きします。
青花の線は水に浸すと溶けてなくなるとか、スゴイ!
下絵羽に仕立てられた状態に描いたものを
見せていただきました。
これは仮絵羽に仕立てられたものですが
柄が若干ずれているのがわかりますでしょうか。
きちんと縫ったときに柄があうように
見えない余白部にも計算された絵柄が
施されていました。
素晴らしい!
大島紬の証紙がっ!
そかー
紬に手描きの友禅のお着物は
こうやって出来上がっていたんだ!
うん うん
今更ながら実感してしまいました。
村田さんが携わった宮内庁の
再現のお仕事の資料ファイル。
草木染めと科学染料のことなどなど
話題は尽きません。
この切手シートをお持ちのお客様
いらっしゃるんじゃないかなぁ
桜や春の花が舞う、
とっても可愛い着物柄です
これは村田さんが描かれたものだとか。
(こういう活かされ方、すてきだぁ)
もったいなくて使えませんねっ!
素晴らしい職人の手技を見せていただきました。
場は移り 【 糊置 】 です。
下絵の線をもとに正確に糸目糊を置いていきます。
青花の線は後に水で流すと消え、
この糸目糊が染め上がった時に線となり表れます。
糸目糊を均一な細さで自在に美しく描くことは
熟練の職人仕事。
こちらの工房も特別に入らせていただきました。
(↑ 写真は両方ともゴム糸目です ↓)
最後は 【 挿し友禅 】 の現場
京友禅手描染匠の工房に
お世話になりました。
糸目防染された柄の中にここで
色を挿していきます。
薄い色から濃い色へ。
艶やかな白色を作る胡粉は、昔ながらの技法で
乳鉢で練って使用しています。
(通常は水で希釈する既製品を用いる工房が多いそうデス。)
隣り合う色が混ざらないのが不思議で
仕方ありません。
【 糸目 】には、挿し友禅する際に染料が
他ににじまないよう、防染の働きもあるとか。
ここではより色の深みを出すために、
細部に至るまで刷毛を使われるそうです。
反物裏側も見せていただいたのですが、
生地の糸の芯まで染料が染み込み、
色の奥行きが格段に増すと伺いました。
今に残るこだわりをいくつもお持ちの工房でした。
神田サオリさんは古きものにきちんと敬意をはらい
その品物が持つ歴史や思い出も大事にされる方。
新しい世界への挑戦の最初の一歩を垣間見ました *^^*
今度はどんな花が咲くのかな
とてもとても心待ちです☆
大人になって、
職人の言葉にならないほどの技術によって
それが形となり仕立てあがることを知り、
より一層着物や帯が愛しいなと思います。
それはアンティークへも現代モノへも
同じ想い。
私は着物Lifeの最初の第一歩に
おもとめやすい価格での着物の販売もしております。
沢山の手を経てここまできた1着です。
値段にかかわらず、ご縁があってお袖を通すお着物、
大事に丁寧に、お付き合いしてもらえれば嬉しいなと
いつも願っております *^^*
--
二条丸八の中筋さま 金森さま 川本さま
我妻工芸の我妻政司さま
手描彩色作家の村田秀豊さま
富宏染工株式会社 藤井寛さま スタッフみなさま
そして神田サオリさん
素晴らしい時間をありがとうございました!
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コメント
すごく勉強になります!
着物の世界って本当に奥深いですね。
またお話聞かせて下さいませ~♪
投稿: Minami | 2013年3月28日 (木) 16:44