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2013年3月28日 (木)

京友禅の工房見学へ行った日のこと(with 神田サオリさん)

昔から着物の柄や絵が大好きです

それはお袖を通さなくても絵本と同じくらい
小さな私をドキドキさせ、たくさんの色や
不思議なお話の世界に連れて行ってくれるものでした

絵は 手描き友禅染め という技法らしいゾ 
それぐらいの浅い知識、、

google センセー!

「友禅」と一口に言っても、沢山の製品と説明が
出ていて ?? は増えるばかり

仕事柄、色んなお着物をお預かりし
相談をうけることも多くなり、もっともっと知りたい!  
そう思っていた矢先

神田サオリさんから
「京友禅の工房へ見学にまいります!」
と元気なお便りが

「是非ご一緒させてください!」 と、
便乗させていただきました ^^b


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神田サオリさんと京都の着物メーカーさんとで
実は今、すてきなプロジェクトが進行中です。

きちんと技法を知ることでサオリさんの世界は
ぐんぐん膨らんでいく。

なにが出来て、なにが難しいのか。

職人の技術。 機械の技術。 

ひとつひとつ具体的に確認作業をしていきました。


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古典柄

金箔 銀箔 箔だけでも数十種類あること。


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金駒刺繍  相良刺繍  地引縫い 割り縫い

今はだいたいの手刺繍がベトナムで
縫われているということ。

織りとのコンビネーションで醸せる世界観。


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「手描き友禅」の大きな特徴のひとつは
柄の輪郭線があることです。

これを「糸目(いとめ)」と呼びます。
「糸目糊(いとめのり)」を白生地に細い線として
しごき出しながら絵柄を描きます。

刺繍の白 緞子の白 染めの白、 
正絹(シルク)に広がる白の諧調はとても美しい。


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より具体的に作業している現場に
お邪魔致しました。

ここは手描彩色作家の村田秀豊氏の工房。

驚いたことに神田サオリさんの絵を
反物に友禅で表現してくださっていました!


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染料についてのたくさんの質問

どこで手に入るか

扱い方

筆・刷毛の選び方 

量  基本的な塗り方

ひとつひとつとても丁寧にご回答いただきました。


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【 下書 】

手描き友禅はまず青花(アオバナ・露草を絞った汁)で
下絵の模様を線描きします。

青花の線は水に浸すと溶けてなくなるとか、スゴイ!

下絵羽に仕立てられた状態に描いたものを
見せていただきました。


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これは仮絵羽に仕立てられたものですが
柄が若干ずれているのがわかりますでしょうか。

きちんと縫ったときに柄があうように
見えない余白部にも計算された絵柄が
施されていました。

素晴らしい!


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大島紬の証紙がっ!

そかー
紬に手描きの友禅のお着物は
こうやって出来上がっていたんだ!

うん うん 

今更ながら実感してしまいました。


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村田さんが携わった宮内庁の
再現のお仕事の資料ファイル。

草木染めと科学染料のことなどなど
話題は尽きません。


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この切手シートをお持ちのお客様
いらっしゃるんじゃないかなぁ

桜や春の花が舞う、
とっても可愛い着物柄です


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これは村田さんが描かれたものだとか。
(こういう活かされ方、すてきだぁ)

もったいなくて使えませんねっ!

素晴らしい職人の手技を見せていただきました。


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場は移り 【 糊置 】 です。

下絵の線をもとに正確に糸目糊を置いていきます。

青花の線は後に水で流すと消え、
この糸目糊が染め上がった時に線となり表れます。


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糸目糊を均一な細さで自在に美しく描くことは
熟練の職人仕事。

こちらの工房も特別に入らせていただきました。

(↑ 写真は両方ともゴム糸目です ↓)


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最後は 【 挿し友禅 】 の現場
京友禅手描染匠の工房に
お世話になりました。

糸目防染された柄の中にここで
色を挿していきます。


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薄い色から濃い色へ。

艶やかな白色を作る胡粉は、昔ながらの技法で
乳鉢で練って使用しています。

(通常は水で希釈する既製品を用いる工房が多いそうデス。)


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隣り合う色が混ざらないのが不思議で
仕方ありません。

【 糸目 】には、挿し友禅する際に染料が
他ににじまないよう、防染の働きもあるとか。


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ここではより色の深みを出すために、
細部に至るまで刷毛を使われるそうです。

反物裏側も見せていただいたのですが、
生地の糸の芯まで染料が染み込み、
色の奥行きが格段に増すと伺いました。

今に残るこだわりをいくつもお持ちの工房でした。


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神田サオリさんは古きものにきちんと敬意をはらい
その品物が持つ歴史や思い出も大事にされる方。

新しい世界への挑戦の最初の一歩を垣間見ました *^^*

今度はどんな花が咲くのかな
とてもとても心待ちです☆


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大人になって、
職人の言葉にならないほどの技術によって
それが形となり仕立てあがることを知り、
より一層着物や帯が愛しいなと思います。

それはアンティークへも現代モノへも
同じ想い。


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私は着物Lifeの最初の第一歩に
おもとめやすい価格での着物の販売もしております。

沢山の手を経てここまできた1着です。

値段にかかわらず、ご縁があってお袖を通すお着物、
大事に丁寧に、お付き合いしてもらえれば嬉しいなと
いつも願っております *^^*


--


二条丸八の中筋さま 金森さま 川本さま 

我妻工芸の我妻政司さま

手描彩色作家の村田秀豊さま

富宏染工株式会社 藤井寛さま スタッフみなさま


そして神田サオリさん


素晴らしい時間をありがとうございました!

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コメント

すごく勉強になります!
着物の世界って本当に奥深いですね。
またお話聞かせて下さいませ~♪

投稿: Minami | 2013年3月28日 (木) 16:44

この記事へのコメントは終了しました。

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