夏終わりの旅@南相馬市*山田神社
2012年9月10日、夏の終わりに
南相馬の海沿いにいました
絵師はとちゃんから
「”ぽっぽてぬぐい”は、9/10 の朝に山田神社で
お祓いをしてから、販売の流れになります。」
って聞いて
じゃぁ、行かなきゃねって、最終電車を過ぎた頃
都内で落ち合って、寝ないで山田神社を目指した
山田神社 禰宜 森幸彦さん
「お疲れさまです!」の大きな笑顔に
いつもほっとします
山田神社は福島県相馬市と南相馬市にまたがる八沢浦干拓地の総鎮守
明治の頃から干拓事業が始まりましたが、強い波や排水が困難を極め
11名の犠牲者を出した後、昭和に入ってやっと事業完成を迎えました
この干拓で海は300町歩の農地となり、200余戸の人々の生活の基礎と
6,000俵の食料が増産したそうです
東日本大震災の大津波はこの辺りの集落をことごとくのみこみ、
40余名の方が亡くなられ、あたりは海に戻りました
この写真は今年の3月、石碑がまだ倒れたままです
ここは南の高台、
港集落の緊急時避難場所に指定されていました
標高15mほどのこの高台にも津波が押し寄せ、
ここに避難した方々の多くが犠牲になったと伺いました
この間、来たときはなかった
ドライフラワーになった献花
今度来るときは、お花の苗を持ってこよう
山田神社 「鳥いっぱい鳥居」
今年の6月、ここで亡くなられた58名の方々を想い
はとちゃんがぽっぽさん58羽を鳥居に描き
「鳥いっぱい鳥居」は完成しました
鳥居は天地をつなぐ門
そこに宿り、空にあがり安らかに鎮まっていただきますように
心からの願いをこめました
この仮社殿と鳥居は今年の2月に熊本県立球磨工業高等学校で
宮大工を学んでいる高校生から寄贈されたもの
多くの人の手と善意の寄付でここに設置されたと知りました
みんなで祓えの準備をしました
今回あがってきた手拭と添えるカードすべてが
祭壇にあがります
「祓い」は「つみけがれ」を祓(はら)うこと
なぜ手拭を祓うのか、意味を調べてみました
「つみ」は「罪」ではなく、
人の真の姿を包み隠してしまうもの = 包む身 を意味し
また、「けがれ」は「汚れている」ではなく、
本来の気が枯れてしまった状態 = 気枯れ を意味するとか
神職の「大祓いのことば」という祝詞(のりと)が奏上されました
「この手拭を身につけた人に幸せまいりますこと」
八百万(やおよろず)の神様にお願いしていただきました
駆けつけてくださった氏子さんたち
ぽっぽてぬぐいの初売り日となりました!
南相馬の強い潮風と陽射
鳥居の緋色は朱の色になりました
花を撮っていたらフレームに虫が入ってきた
なにかを伝えに来たかな
私は今を、ちゃんときり撮れているかな
お祓い後の昼下がり
社務所でみんなで内職 (笑
「ぽっぽてぬぐい」は、禰宜の森さんの手から氏子さんへ
そして福島のあちこちで販売される予定です
インターネットの中では野庵が送り届けます
(利益の1/4が山田神社再生再建のため、奉納されます)
波音のひびく浜で
58羽のぽっぽさんが
空と地をつないでいます
わたる空と海に彼方を感じた
夏終わりの旅でした
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