« お着物でFarewell party (@ラ・ビュット・ボワゼ) | トップページ | 津軽金山焼の窯 2 »

2007年8月15日 (水)

津軽金山焼の窯 1



▲ 東北でのこと Index に戻る ▲



みなさま、「津軽金山焼」ってご存知でしょうか?
毬詠、今回までその名前知りませんでした。
青森市内で、初めて出逢った「金山焼き」の器、とても気持ちに引っかかった。
備前のような焼き締めと緋だすき、シンプルな計算された形、驚いたのはその価格。
(ありえん、、めためた安いっ。備前なら軽く倍はする価格設定やもん。)

「もっといっぱい見て、一番良い景色のこを連れて帰る~。」
五所川原駅からタクシーを飛ばして20分、(バスだと40分超!)
津軽金山焼きの窯はありました。

Kanayama13

ここは金山焼きが生産されている唯一の場所。
「作業場」、「窯」、「販売所」、「金山焼きの器で食べれるレストラン」が集約。

「良い作品は作る現場にある。」
早速、作ってるところはないか探検に(笑

Kanayama9

焼き物ってね、ウルトラ簡単に手順を書いてみると

粘土を成形→乾かす→焼く→冷ます→洗って仕上げ  こんな感じ。

ただね、とてつもない手間と時間、経験・努力がそこには隠れてて。

Kanayama6

それを目の当たりに体感させてくれた素敵な出会いがありました。
東京 下北沢で陶芸教室を開催されている 中鉢 徹先生

「こんにちわです~。」 いきなり薪焚き現場を訪れた毬詠に
温度の説明から、今どの工程で何に気を配り、次の工程とその準備
他、ここが世界からもとても注目されている特殊な窯だということを
作業をしながらとても丁寧に教えてくれました。

窯に薪を入れて温度を上げます。 (目標温度 1230度!)

Kanayama4

薪を入れると空気が入って、炎と黒煙があがる。
現場はものすごい暑さ。 大窯は6時間交代で7昼夜焚き続けるとか。

Kanayama8

薪を入れる入り口の「火の動き」を見て、これからの加減を探る。

薪窯に使う煉瓦は衝撃に強くなくちゃいけないから、密度が濃くて重いものを使う。
その分、火は通りにくい。
煉瓦が熱くなるまでの一定の時間、100度ごとにぶちあたる「温度の壁」。
温度は直線的にはあがらないし、薪を入れれば上がるものでもない。

Kanayama7

入り口の蓋は炎の色。ただ、その美しさにのまれる。
本物の緋色はこういう色なんね。

「作る」現場の空気感と匂い。
無理やりでも金山に行って良かったと本当に思った。

Kanayama5

やっと、1100度!ここでお昼交代。
毬詠、お昼もご一緒させていただいて質問攻めに(爆

Kanayama11

横では新しい「穴窯」を作る作業が黙々と進んでいました。
(左から金山焼きの窯元、松宮さんとロクロ成形担当の野呂さん)

ここには7種8基の窯があり、毎週、どこかの薪窯に火が入る。
それは日本では本当に稀なこと。(通常は1ヶ月に1度ほどだそう)

原料になる薪の確保や窯を埋める作品数(窯いっぱいに作品を入れないといけない)
ここが陶芸家にとってどれほど恵まれた場所か、この時点ですこーし理解。

Kanayama12

東京へ帰ってから色々調べてわかったこと。
津軽金山焼きは歴史がない。現当代が築き上げた窯。
だからフレキシブルでごんごんチャレンジして、沢山の窯を自分たちで築き上げていく。

今まで産地でなかった分、良い原料がたくさん残っていて
青森で取れる豊富な赤松や近隣の大溜池から良質の粘土を採取。
そこが価格に反映していた。

Kanayama18

青森を良い国産焼き物の産地にしたいという情熱があって。
その場には世界中から様々な陶芸家が訪問し、何ヶ月も滞在し、
作品作りに集中する環境も整備されている。(宿泊施設あり)
海外の作家さんの作品が多数置いてあったのも、そいうこと。

金山焼の資料はあんまりなくてここを築いた松宮亮二さんの著書
「土と炎とじょっぱりと」 と 津軽金山焼HP でお勉強。
この本、わかりやすくてオススメです。行かれる方は是非ご一読!

次は金山焼の作品で食べるご飯とかその周辺の様子とか☆




▲ 東北でのこと Index に戻る ▲



|

« お着物でFarewell party (@ラ・ビュット・ボワゼ) | トップページ | 津軽金山焼の窯 2 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。