日本ノ香リ 和ノ香リ 「躰身香」ってわかります?
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香リナルモノハ ・・・
今回は 【躰身香(たいしんこう)】 というお香についてお話しします。
世界三大美女のひとり、楊貴妃は生まれながらに
身体から芳香を発したといわれています。
日本では実在の人物ではないのですが、
源氏物語の 薫大将 も有名です。
このように生まれながらに身体から芳香を発する人を、
耳慣れない言葉ですが
【挙体芳香(きょたいほうこう)】 といいます。
いつの時代も香りに対する憧れは根強いようで、
この 【挙体芳香】 になる為に考えられたのが
【躰身香】 といわれる丸薬です。
みなさんにも作っていただいた練香
(例の鹿の●●みたいなやつですね 笑)を
イメージしていただければよいかな。
事実、原材料には練香で使用した香原料がたくさん使用されています。
例えば丁子、かっ香、零陵香、桂皮、甘松、麝香。
それ以外だと、びゃくし、当帰、びんろうじなどの漢方生薬など。
これを蜜で練り合わせて小さな丸薬にします。
そして、その丸薬を日に12粒飲むと果たして・・・???
■ 3日後・・・口中が芳しくなる
■ 5日後・・・身体から香気が発する
■10日後・・・着ている衣服にまで香りが移る
■20日後・・・すれ違う人が気づくほどよい香りがする
■25日後・・・手や顔を洗った水まで香る(笑)
■1ケ月後・・・抱いた子供にまで香りが移る(爆)
こんなことが 『医心方』 と言う中国の書物に
大真面目に書かれています。
実際のところ、どれだけの効果があったかは
わかりませんけれど (笑)
それにしても香料を食べて身体からいい匂いをさせてしまおうだなんて、
ちょっと乱暴な話ですよね。
ただ現在でも服用すると身体からバラの香りがするサプリメントや、
【オトコ香るガム】 なんていうものも発売されてたくらいですから
まんざら的外れではないのかもしれませんね。
ちなみにっ!
いつも使用していただいている香原料は天然のものですが
内服用ではありませんので、くれぐれも作った練香を飲んでみる!?
なんて実験はしないでくださいね。
念のため。
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掲載日:2009年5月12日 (火)