【切り紙の会】 = あかりを感じとる力
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和のDNAが流れている私たちは 「あかり」 を感じ取る力を
古より確かに受け継いでいます。
【 たそがれ時 / かわたれ時 】
日本語は時の移ろいを様々な言葉で表してきました。
「宵 よい」 → 「夜中 よなか」 → 「暁 あかつき」
その他、光の加減で次第に明るさが失われて暗くなる時間帯を、【誰そ彼 たそがれ】時。
反対に暗さが薄らぎほのかに明るくなっていく時間帯を、【彼は誰 かわたれ】時と呼びました。
また、「花あかり」や「雪あかり」は、闇の中、桜や雪が乱反射して
ほのかに明るく感じられることを意味する言葉。
移ろう時の中、明るさ にこだわり敏感に感知してきた日本文化。
【 陰影礼賛 】
「事実、日本座敷の美は全くの陰翳の濃淡に依って生まれているので、
それ以外に何もない。」 谷崎 潤一郎
19世紀後半、文明開化とともに明るい西洋の青白い光が入るまでは
日本は細やかな諧調の淡い光のグラデーションのなかで暮らしていました。
座す生活スタイルは、横からの暖かい光で十分であったし、そのほの暗さや
淡い闇、間接光にこそ美を見い出す文化が、確かに在りました。
戦後、真っ白な蛍光灯文化が横行したのは、労働に従事しやすい環境作り
の流れからではないでしょうか。
自分が自分に還る、そんな時間は、ほのかな灯りで過ごしてみませんか。
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掲載日:2007年10月16日 (火)